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■ CLC(ContrastLightCompensator) CLC測光とは、1966年ミノルタがSR-T101で採用した世界初TTL上下分割開放測光(CLC=ContrastLightCompensator)である。現在のTTL多分割平均測光をアナログ的に処理しようというものである。・CLC方式にしたのは何故か? 1960年代、カメラメーカー各社が躍起に開発競争をしていたのは、(現在では常識になっている)一眼レフのレンズを通して入ってきた光をそのまま測光すること(TTL測光)であった。それまでの外部測光方式は、レンズの焦点距離や被写体の拡大率によって勘や慣れによる捕手ツ補正が必要だったからである。東京光学(トプコン)はミラーにスリットを入れ露出計を裏側に置き、旭光学(ペンタックス)はスクリーンのすぐ手前に杓子のような露出計を配置した。 ミノルタは他社の動向を探りながら、独自の方式を検討していた。当時のミノルタは1962年に発売したSR-7がボディ内臓の外光式露出計を採用し米国でヒットし続けていたこともあり、TTL測光方式のカメラを発売するタイミングを逸していた。しかし研究開発は続いており、1965年のフォトキナでSR-777という絞込み測光(ファインダー内LED表示)の試作機を発表している。 しかし常に独創性を求めた創業社長・田嶋一雄の命を受けていた開発陣は、SR-777を市販モデル化することはなく、乾板カメラのスクリーンを5分割し露出計をくっつけて丸2年全国各地様々な状態の撮影をし研究を重ねる。その結果、分割測光の導入を決断、1966年にこのCLC方式を発表/発売するのである。 SR-T101は、TTL開放測光市販機としてはトプコンやニコンに次ぐ世界3番目、分割測光としては世界最初のモデルとなった。他社が不便で即写性のない絞込み測光や、輝度による補正が難しい平均測光あるいはベテランでないと使いこなせない部分測光であったこと、そして価格が一番安かったことから「がんばれば手が届く」「誰にでも簡単にすぐ使える」露出計内蔵カメラとして一気に大ヒット商品となった。またその副産物としてそれまでバラバラだったレンズの名称を「MC=Meter Cupler」として統一、これも他社に先駆け、一眼レフ最大の特徴であるシステム的な考え方に沿ってた。 なお開放測光にあたり、絞り値の位置決めを絞りリングの爪によるボディ伝達方式はトプコンの特許であるが、当時の開発陣は「これ以上のものはない、いいものはどんどん取り入れよう」という方針で特許料を支払って導入している。これはその後のMD方式採用の際にも好都合であった。 ・CLCとはどういう方式なのか? レンズを通ってきた光はまずミラーで上に跳ねあげらる。次に通るマット面の前にあるフレネルレンズで集光され、プリズムに入る。プリズム上部には測光用の部分があり、画面上の前後(ファインダーで言うと上下)違う点に中心を持つ2個のcdsセルで計測される。それぞれが平均測光を行う2個のcdsは直列方式で結ばれており、さらに測光値を半分ずつ計測=2分割させ集約された露出値への影響をなくすというしくみである。完全に視野を分割するのではなく、微妙に重なっている部分が多くあるが、これはアナログ的装置の良いところだ。 わかりやすく例えると、ファインダーをのぞいた時に上部(=天方向)が明るい時にはそこが空でまぶしい光が入ってきていると想定され、下部(=地面方向)との差を演算することによって画面全体が均一な写真が撮れるだろうという考え方である。画面上下平均測光分担式平均測光方式とも呼ぶべきか。 このclc方式をミノルタが採用したのは、SR-T101、SR-T super、SR505、SR101、X-1(AEファインダー)、XE、XEbの7機種で期間的には約17年間である。ただし、Xシリーズでは2個のcdsの受光比率を下方に重点を置く方式にするなど改良がなされて完全平均的二分割ではない。もしSR-TとXEが手元にあれば確かめてみると良い。 clc測光は、現代測光の主流となっている分割測光のはしりであるが、今では画面を2分割どころかαシリーズで見られるようにAF測距点を中心にした分割だったり、某社のように分割よりも細かいドット状に3D測光したりとより複雑/正確さを求めた形式になっている。しかし30年前まだ開放測光すら「どこが一番始め」かを競っていた時期にこういう方式を考え出した事実に感心する。またICなどが開発されるずっと以前に「画面上下を別々のcdsで計測し単純に半分したらええやん」なんて大ざっぱでわかりやすい考え方に対して、あまりにも人間的でとても好感が持てる気がするのは惚れた弱みか(笑)。 clc測光の問題点は、縦位置に構えた時には左右分割測光になってしまうことと、(当時の技術ではいたしかたないが)上下2分割で良いのか、ということである。またcdsを使用しているため反応速度も今から見るととても遅く、構えて1〜2秒しないと指針が安定しない。事実、より即写性を重んじる「自動露出」搭載のX-1・AE-Sファインダー付やXDからはこの方式は止めてしまっている。 参考資料:日本カメラ別冊ミノルタSRの使い方、SR-T101カタログ 1999.11.20作成/2001.11.7更新 にしきん(C)
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